東京ダイナマイト -日比谷野音ライブ決戦を見て- [芸人評]
東京ダイナマイト。
彼等を紹介する時に「たけしイズム最後の継承者」などと言われるのを良く聞く。
何が”たけしイズム”なのか
何を継承しているのか
何故最後なのか
そんなことが疑問でしょうがなかったのだが
先日の夜中に東京ダイナマイトのライブの模様が
”日比谷野音ライブ決戦”と題して放送され
気になるコメント等、もろもろ感じたことがあり
疑問が解消した気がしたので
まとめてみたい。
まず、彼らに関係ないことだが番組の構成が酷すぎた。
ライブを放送するのであれば、あのような編集はありえない。
とにかく沢山の種類のネタの面白いところだけ
放送時間に入れようとした印象しか受けなかった。
もっとライブ感の伝わる編集の方法があったんじゃないだろうか?
放送する漫才の数を減らしても、そうするべきだったと思う。
さて、そんなこんなでガッツリ編集されていた分
彼等の多種多様な漫才が放送されていた。
昔のもの、新作、短いもの、サンプリングetc...
漫才の一つ一つの評価ではなく、種類という視点で振り返ると
『貪欲』
という言葉がまず頭に浮かぶ。
彼等はどんな方法であれ、客が笑えばそれでよいと考えている。
それが彼等のスタイルなのだ。
代表的なのが漫才のサンプリングである。
今回のライブでもあったが彼等は他のコンビのネタを平気で模倣する。
ライブの冒頭から「麒麟です」をパクリ
その後すぐに「あまぁぁ~~~~い」と叫ぶ。
ネタも”笑い飯”を模倣したダブルツッコミダブルボケをやったかと思えば
父からの手紙という”チャイルドマシーン”が得意とした手法をやっていたりする。
また、今回のライブでは放送されていなかったが
違うDVDに収録されているものでカバーと称し
次長課長のコントをそのまま舞台でやっていたりもする。
先日、こんな逸話をFUJIWARAが話していた。
厳しかった仕事という話で
”学園祭に行ったら主催者が”
”「千原兄弟のあのネタやってください」と言ってきた”
”バンドに曲を頼むような感覚で頼んできたのだろうけど”
”あれは辛かった。。。ありえない”
と話していたのだ。
そう、芸人が他の人のネタをやるというのは、ほとんどタブーに近い。
それをいとも簡単に、率先してやってのけるのが東京ダイナマイトだ。
ビートたけしはTV界のタブーを沢山壊した芸人だった。
タブーという壁を取っ払うというのが「たけしイズム」だとすれば
見事に継承していると言えるだろう。
東京ダイナマイトは”芸”のタブーを壊そうとしている。
そしてそれが”最後”な理由は2つ。
1つ。
この芸というタブーを壊してしまうと
芸人にとってのタブーは無くなってしまうといって過言ではない。
2つ。
以前書いたが、たけしはもうお笑い芸人ではないのだ。
(http://blog.so-net.ne.jp/suna_keshi/2005-05-28)
そのような意味で最後だと言えるだろう。
番組の中でハチミツ次郎がこんなコメントをしていた。
”今のお笑いブームに乗れないけどお笑いが好きな人”
”本当にお笑いが好きな人にとって”
”僕等は最後の砦だ”
”きっと僕等の所に帰ってくる”
”そんな意味を込めて、ライブではいつも”
”「いらっしゃい」ではなく「おかえり」と言う”
今さらこんなことを書くのも忍びないが、僕はお笑い好きである。
彼らに”おかえり”と言われるならば
貪欲に芸のタブーを壊すという棘の道を進もうとしている東京ダイナマイトへ
この言葉を送りたい。
『いってらっしゃい』
彼らの進もうとしている道は本当に険しい。
TBさせていただきました。
よかったらまた見に来てくださいね。
M-1でまた東京ダイナマイトの漫才を見てみたいです。
http://yaplog.jp/a-room/
by 綾花 (2005-10-07 18:47)
TBありがとうございます~~
今年のM-1はどうなるのでしょうかね!!??
まだ1回戦なので、彼らは登場してないようですが・・・
待ち遠しい!!
by すなけし (2005-10-08 01:50)