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スピードワゴンがカブく!! [芸人評]

ここ数年で成長した芸人は多い。
お笑いブームもあって格闘する機会が増えているのもその一因だろう。
そんな中で、色々な物と格闘し成長した、スピードワゴンについて触れておきたい。

彼等をTVで見るようになったのは3、4年くらい前からだろうか?
結成が1998年なので順風満帆ともいえるだろう。
初めて見た時の印象をよく覚えている。
ボケ小沢がとにかく観客を見ないということと
ツッコミ井戸田が台本どおりっぽいということだ。
それが今ではこの印象が上手く生かされたネタをどんどん排出している。

彼らに関する事件で印象的な物が2つある。
まずM-1立川談志。
”下ネタは嫌い”という理不尽な理由で
めちゃくちゃ低い点数をつけられたのだ。

そしてもう一つは若手Vsベテランのネタ番組。
2年くらい前に放送された深夜番組で
若手とベテランのネタをホーム&アウェイで披露し評価されるものがあった。
若手にとってホームとは自分達と年齢の近い若者の客をさし
アウェイとは、おっさんおばはんの客前をさしている。
ベテランにとってはそれが逆になるという設定で
それぞれの客前で対決していた。

アウェイで、スピードワゴンは全くウケなかった。
うけない事で舞台上であせっていく様が分かったのだが
ある一瞬で、がらっと変わった。
すべった事でツッコミ井戸田のテンションが一気に上がり
前を向いてツッコミ始めたのだ!!!
そこから一気にそのネタが面白くなった。
僕はこれが彼等の転機だと勝手に思っている。

そう、舞台上で笑いを取るためには前を向いて
お客にアピールする必要がある。
ボケの小沢は極端にそれをしない。
以前の井戸田はそれをやっていないわけではなかったが
コンビとして見た時に平均するとそれが足りなかった。

談志も含め年齢が高い人達にとって
笑うことと親近感が非常に密な繋がりを持っている。
若い物が舞台上でこちらにアピールもせずに喋っていると思った瞬間に
高い壁を作るのが年齢の高い人達の特徴なのだ。

さて、”かぶき者”という言葉をご存知だろうか?
変わり者、常識外れの人をさす言葉なのだが
歌舞伎の語源もこの”かぶき”からきていると言われている。

”スピードワゴンは小沢が”かぶき”、井戸田が見栄を切る!!!”

小沢は相変わらず観客を見ない”かぶき者”で
ボケというカブキを連発する。
それを井戸田が客に向かって台本通りに分かりやすく(テンションを上げるなどの)
歌舞伎のような見栄を切りながらツッコむのだ。

つまり彼らを初めて見たときからやっている事は同じ。
しかし、ツッコミの変化によって彼らは非常にバランスの良いコンビへ成長した。

かぶき者にはもう一つ意味がある。
上記の意味が転じて

”風体や行動が華美であることや、色めいた振る舞いをする者を指す”

最近の二人のネタはこちらの方がしっくりとし始めているというのは言いすぎだろうか?
僕は見事な”かぶき者”を二人で演じているように感じている。


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コメント 9

a-room

最近よくテレビに出てますよね。スピードワゴンは二人ともブログを書いてますよ。
by a-room (2005-07-09 21:00) 

落語好きの男

http://www.enjoo.com/rakugo/rakugo/gei_1.htm
の下の方に書いてある、「正面を切る」の説明を読むと井戸田さんの良さがわかります。他に「正面を切る」がよくできているのは、爆笑問題の田中さん。その爆笑問題さんを絶賛した家元立川談志の“下ネタは嫌い”の発言は、唇パープルが“アガちゃった”ということを“笑い事”にした、女性に対してかなり失礼なネタだったから、それに対して評価を低くしたわけで、理不尽ではないと思います。笑い飯は“チンチン”と言っても70点とってたので、単純に“下ネタは嫌い”ではないはずです。
by 落語好きの男 (2005-07-10 00:10) 

すなけし

>>綾花 さん
Blog見てみました!!
”やい!スピードワゴン井戸田潤”ってタイトルがまずよかったです(笑)

>>落語好きの男 さん
うわーーー!!すっごい面白いHP紹介していただいてありがとうございます!!
熟読させて頂きます!!!本当に嬉しいです!!!
談志師匠の件ですが、そのような見解があるのは承知していました。
僕はそれよりも”見せ方”を知らなかったスピードワゴンの技術不足が師匠の発言に繋がったんじゃないかと思って、今回のようなまとめ方にしてみました。
by すなけし (2005-07-11 01:47) 

ぴむ@毎日が映画記念日

スピードワゴンって軽い芸人、と見られがちですが、
小沢=「ネタ」、井戸田=「芸」には、それぞれとても真摯なものが見て取れます。
最近ではテレビ「誰でもピカソ」で、たけし師匠の前であの「甘い」のネタを
やったとき、すごく疑問に思ったものですが、実は彼らが
たけしにダメだしをしてほしくてあえてやったのだ、と言ったとき、
そうだったのかと思うと同時に、さすがだなと思いました。

「ピン」では絶対成立しないところがこのコンビの魅力でもあり、
テレビという伏魔殿で活躍していく上では、ネックとなるのかもしれません。
でも、いつまでも二人で歌舞伎芸をやっていてほしいと思うし、
きっとそいういうコンビになることでしょうね。
たけしに「てんやわんや師匠を思い出した」と言わせたくらいですから・・・。

すなけしさんのこのブログ、とても気に入ってしまったので
(映画もお笑いも男前豆腐も好きだし私)
のちほど、当ブログにリンクはらせてください。
どうぞよろしくお願いします。
by ぴむ@毎日が映画記念日 (2005-07-14 12:01) 

すなけし

ピンでは成立しないコンビの方が僕も好みです!!
天然天然と言われている井戸田さんですが
その底抜けの明るさあってことそ小沢さんだと思うし
あの二人がコンビでいるってのがとてもしっくりきます。
その誰ピカ見逃しているかも・・・・しょっく!!!

あら、好きな物がかぶってますね(笑)
リンクありがとうございます!!!
by すなけし (2005-07-15 00:13) 

hao

なるほど。深い読みに感心しています。芸人ブームに乗り切れなかった原因もそこにあるのかもしれませんねhttp://batugame.seesaa.net/
by hao (2005-07-28 02:05) 

すなけし

haoさんコメントありがとうございます。
彼らはこれから来るはず!!と思っておりまっす。
by すなけし (2005-07-29 00:29) 

無い

立川談志師匠はM1の後、スピードワゴンのライブを見に来たそうです。
そこでお二人を褒めたそうですよ。
僕もスピードワゴンの不安定感が好きです。でも、その不安定感が無くなった時、真の力が発揮されるのでは?
by 無い (2005-08-28 18:43) 

すなけし

おぉ。。。ちょっと鳥肌が立ちました。
そんな後日談があったんですね。。。教えていただきありがとうございます!!

変な言い方かもしれませんが、不安定が安定になる場合もあるかなと。
例えば橋はわざと揺れるように作って結果的に壊れないようにするそうです。
by すなけし (2005-08-30 01:18) 

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