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芸人今昔 [笑い一般]

昔の芸人達は皆口々に”芸人になるしか生きる道がなかった”と言う。
(ダウンタウン世代の芸人くらいまでかな?)
自分達のような社会性のない人間がなるのが芸人なのだと。

今の若手芸人達は大学を出ている者が少なくない。
そんな若手に対して、”なんで芸人なんかになったんや~?”と聞く場面を
数年前から、よく見かけるようになったと感じている。

今と昔の芸人は何が違うのだろうか?

そんなことを考えているうちに
まず、芸人としての入り口が気になり
師匠と弟子一覧表を作成してみた。
http://blog.so-net.ne.jp/suna_keshi/2005-11-11

まず、表にしてみて感じたのは
芸人になるしか生きる道がなかった人は
年代に関係なく師匠を持っているようだ。

例えばタケシ軍団や猫ひろし、三津間JAPANなどは
最近の若手の主な入り口である”養成学校”へ
通っている姿が想像できない芸人ばかりだ。

次に、師匠から弟子への”芸”を受け継ぎは
手品や落語を除けば、今も昔もほとんど行われていないように思える。

この2点から考えると
芸人としての心構え、ルールなどを伝えるという意味合いが
師匠と弟子という関係の中では一番強かったのではないだろうか?

そのようなルールを作った、または教えられる芸人が”師匠”と呼ばれるのだ。

師匠に師事した弟子たちは、一緒に生活することによって
それらを”奪い取っていった”。

一方、今の主流である養成所。
以下のリンクに示すように、本当に数が多い。
http://media.excite.co.jp/News/weekly/040727/topics_p03.html

これらのほんとどが、入学金や月謝を支払い
養成所に招かれた芸人や関係者たちから指導を受けるとこになる。

つまり、養成所に入った芸人達はサービスを受ける側であり
指導する人たちはサービスを供給する側になる。
奪い取るわけではなく、与えられることの方が多いことを意味している。

このスタンスの違いは近年の芸人達の特性を色濃くあらわしている。

”前に出る芸人が極端に少ない”

TVという媒体の影響もあるだろうが、昔に比べ本当に少ないと感じている。
その原因の一端はこの入り口の変化から来る
スタンスの違いなのではないだろうか?

そのような意味でNSCの一期生であるダウンタウンや
初期の養成所で育った芸人達はすごい。

こんな逸話をダウンタウンが話していた。
結成して間もないころ、舞台でふがいない漫才を見せた二人。
劇場の支配人が飛んできて

”帰れ!!!”

と一喝したそうだ。
そして、ダウンタウンは”本当に帰ってしまった”のだ。

”あれって、帰ったらあかんのですよね”
”僕ら、師匠がいなかったから分からなかった”
”芸人の世界は厳しいから、本当に帰らないといけないと思った”

このように世界観が全く見えないだけでなく
それを養成所でも教えてくれる人がいなかったのだ。

おそらく、今の養成所はこのようなノウハウが蓄積し
芸人に最低限必要な知識を教えるプログラムが出来上がっていると考えるが
初期の養成所から出発した芸人達は
恐ろしいまでの苦労をしたことは容易に想像できる。

結果、何かを奪い取る力、前に出る力は
初期の養成所出の芸人に勝てるものは、いないといって過言でない。

このような苦労の上になりたっている養成所。
そこから出てくる若手芸人達。
そう考えると、上が詰まっているベテラン勢を
打ち崩せないのはしょうがないのかもしれない。


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コメント 5

NO NAME

初めまして。
「前に出る芸人が極端に少ない」というのは僕も不思議に思ってました。
今の若手では次長課長、品川庄司(とアンタッチャブル)くらいでしょうか?
でも彼らがゴールデンに冠を持つのを、今の所あまり想像出来ないんですよね…
by NO NAME (2005-11-17 00:53) 

NO NAME

そういう中でのし上がっていくのは相当の苦労があったのでしょうね、トミーズにしてもハイヒールも。そんなダウンタウンに鍛えられたダウンタウンファミリーの今田東野世代がチカラあるのも、納得かも。
孫世代までいくと、ダウンタウンも甘いみたいですけど(笑)
飲んでる席で宮迫が酔って松っちゃんの頭をつかんだのですが、怒らない。
うちらじゃ考えられへん、孫世代にはやさしいねん!って今田が言ってた記憶が。
by NO NAME (2005-11-17 04:05) 

koto

なるほどなー、と思って読みました。
ところで、「前に出る」ってどういうことなんでしょうね。私はなんとなく、芸人さんが多数出ている番組で積極的に発言すること、くらいに思っていたのですが、すなけしさんの文章を読むと、芸人さんのスタンスとか、芸そのものとか、もっと広い意味で使われていますよね。その辺の定義みたいなものがもしあれば、聞いてみたいです。
by koto (2005-11-17 14:30) 

↓これ僕も知ってます。笑えますよね☆

劇場の支配人が飛んできて
”帰れ!!!”
と一喝したそうだ。
そして、ダウンタウンは”本当に帰ってしまった”のだ。

ダウンタウンを越える芸人は、僕が生きている間は
でてこないだろうなって思ってます。
あくまでも僕の個人的な意見ですが(笑)
by (2005-11-17 15:46) 

すなけし

>>NO NAMEさん
はじめまして。
このまま行けばゴールデンの冠番組を
アンタッチャブルは持てそうな気もしますが
みんなが平均的すぎて、予想が難しいですね。
ただ、ロンブーのように企画主体で冠を持つパターンもあるので
何が起こるかわからないですけど。。。

>>NO NAMEさん2
おっと、その宮迫の話を知りませんでした。
丸くなりましたねぇ。。。(笑)
それも良いよ思う反面、もっと厳しくあって欲しいとも思います。

>>kotoさん
確かに前に出るという言葉の定義が曖昧でしたね。
僕が思う”前”とは、自分を伸ばそうとするベクトルです。
積極的にアピールする、発言するのも
芸を盗もうとするのも同じ”前”だと思います。
(探究心と言い換えることが出来るかもしれません。)
そして前に進もうと、やる気/気迫が出ているのか?というのを
”前に出る”という意味合いで使っていました。

>>ルイージ さん
象徴的な話で、忘れられませんでした(笑)

僕も時々そんな風に考えるのですが
もしかしたら。。。という期待だけは持って見ています(笑)
by すなけし (2005-11-18 00:56) 

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