真と偽、タイガー&ドラゴン [笑い一般]
タイガー&ドラゴンが先週、最終回を迎えた。
全ての回を見終わって、まず思い出しのは
スペシャルの際に春風亭昇太が冒頭で言った
”ライバル関係にあるものを、竜虎と例えます”
”これは不思議な言葉で”
”虎というのは実在しているのに、竜という動物は存在しない”
”これはそんな虎と竜のお話です”
という言葉だった。
僕はこのドラマの全てがこの言葉に詰まっていると考える。
”タイガー&ドラゴンは真&偽のドラマ”だ。
このドラマには沢山の真と偽が存在する。
大きい枠から小さい枠へ順を追って羅列します。
1.ドラマの構成:現実世界の真と落語劇中劇の偽
2.人間関係:血族という真と家族という偽
3.人物像
虎児:芸人という真とヤクザという偽
竜二:芸人という真とデザイナという偽
どん兵衛:父親、谷中としての真と芸人どん兵衛としての偽
メグミ:”人間だもの!!”という真と不思議っ子という偽
笑福亭鶴瓶:落語家という真とドン太という偽
(ドン太は明らかに鶴瓶の若手時代を反映している)
これらの真と偽の”入れ替わり”や”ギャップ”を利用して
多くの笑いや感動を生むことに成功している。
そして僕はこのドラマから多くの笑いを感動を貰ったと同時に
一つの宿題を出されたと感じた。
”僕にとっての真と偽とはいったい何か?”
前述したように、このドラマには真と偽が沢山存在し
それが縦横無尽に入れ替わったり、離れたりすることで構成されている。
つまり
真と偽の境が非常に曖昧
だといえるだろう。
全員やりたいことをやっているわけではなく
全員が我慢しながらもがいて、真と偽を近づけ
境をハッキリさせようと頑張っている。
まさにタイガー&ドラゴン、竜虎が戦っているのだ。
##鶴瓶だけは実世界の葛藤がそのまま投影されている
##宮藤官九郎なりのエールなのかもしれない
また曖昧だからこそ、すっと入ってくる物もある。
例えば僕らの日常で友人と仲良くなるきっかけを覚えているだろうか?
僕の10年来の親友は高校からの仲なのだが
二人とも出会った時の記憶がない。
そんなふとしたきっかけが真で”親(しん)”になるのが日常なのだ。
タイガー&ドラゴンは真になるきっかけをほとんど説明しない。
普通のドラマやアメリカ映画のように劇的な変化を見せようとしない。
曖昧な日常の連続にドラマがあることを綺麗に描いて見せた。
それも、芸人という特殊な世界を舞台にしながら。
さらに、エンタテーメント性を損なう事無く。
宮藤官九郎に脱帽である。
凡庸な日常の連続に
自分の中のタイガー&ドラゴンをいかに上手く対決させる事ができるだろうか?
それを面白くするも、つまらなくするも自分次第。
休戦させていたって前には進めない。
僕は宮藤官九郎に出された宿題の回答を
きっとこのBlogを書き続け得られるような気がしている。
そっとタイガー&ドラゴンというドラマに背中を押されながら。
絶対DVDボックス買うぞーーーーーーーーーー!!
最後の2話をまだ見てないのですが
うんうん うなづきながら読んでしまいました。
私も春風亭昇太さんが冒頭で言った言葉覚えています。
あの時は聞いても何も感じませんでした・・・
それに気づいたすなけしさんはすごいです。
私の中のタイガー&ドラゴンを考えてみたいと思いました。
『Blogをかく事で・・・』って
その気持ちなんかわかります。
by Pelo☆Clover (2005-07-08 05:14)
そうなんです、あの言葉がずっと引っかかっていたんです。
そこから考えて感想を書いてみました。
コメントありがとうございます!!
いやはや、本当に素晴らしいドラマだった!!
by すなけし (2005-07-08 12:44)
タイドラではないけどクドカンつながりで。彼が書き下ろしのショートムービーが以下サイトで見れるよ。
主演は佐藤隆太。犬好きの私としてはたまらぬ仕上がりでした。
かわいいボストンテリアもリアルボストンテリアも最高!
http://jp.nescafe.com/shake/index.htm
by ハルナナ (2005-07-16 14:18)
おぉ!!!!
情報ありがとうでっす!!!
見たら報告いたします<(_ _)>
by すなけし (2005-07-18 01:07)