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芸人格闘場「すべらない話」 [DVD/ビデオ/映画レビュー]

”誰にでも一つは、すべらない話をもっているものである。”
”そしてそれは誰が聞いても、何度聞いても面白いものである。”
”そのひとつひとつを披露するだけでお送りするという”
”とてもシンプルな番組。もちろんすべてのお話は実話”

をコンセプトに始まったこの番組。
すでに6回が放送され
その1,2回が収録されたDVDが発売された。

本日はDVD「人志松本のすべらない話」のレビュです。

まずDVDの構成は、番組と同じく、かなりシンプル。
放送時には素人のすべらない話などのコーナが設けられていたが
それが一切取り除かれ、第1回、第2回と未放送分のすべらない話の
3部構成となっている。
回を重ねて得た番組の形を、第1回、2回にもフィードバックしたといえる。

ここで少し”すべらない話”を実生活でする事を考えてみたい。
同じ話でも、話の間、トーン、構成といった話術がまず要求される。

松本人志も何かの番組で触れていたが
後輩と旅行に行って、そのときの話を後輩がTVでしているのを見たときに
俺ならもっと面白く話せる、同じ体験をしたとは思えないと語っていた。

しかし、もう1点、重要な要素がある。
話者に対する親近感である。

しごく当たり前の事実ではあるが
いくら面白い話でも嫌いな人から聞けば、笑いにはならないのだ。
分かりやすい例ではアイドルのお笑い番組は
この親近感でなりたっているといっても過言ではない。

松本人志の周りには、技術はあっても視聴者からの
親近感(人気)が無かった芸人が複数人いた。

千原ジュニア、ほっしゃん、宮川大輔、河本準一、黒田有。。etc

松本人志は「すべらない話」でテーブルという”場”を作り
 ・自分がその輪に入る
 ・サイコロに話者を委ね期待感を煽る
という2つの方法により
自分に対する親近感(人気)を分散させ
親近感が無いことが原因で今まで伝わりにくかった
技術がある芸人達のすべらない話を
伝える事に成功している。

これは簡単なことではない。
技術がなければ、その親近感は一気に不快感へ変わってしまう恐ろしい格闘場なのだ。

大げさかもしれないが
実力を発揮し結果を出して親近感を得た
DVDに出演している主な芸人達は現在
この番組が放送された当時より
話術を売りにして前に出るようになったと感じている。

中でも僕は千原ジュニアの独特のテンポが好きだ。
落語のように情景が頭に浮かぶ瞬間がたまらない。
そんな彼が本当に落語に挑戦してしまったのを御存知だろうか?
次回はそのレビュをしたいと考えている。

砂消しゴムで消せなかった度数
★★★★☆

人志松本のすべらない話

人志松本のすべらない話

  • 出版社/メーカー: アール・アンド・シー
  • 発売日: 2006/06/28
  • メディア: DVD


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ラーメンズ 第15回公演「アリス」に感じた胎動 [DVD/ビデオ/映画レビュー]

何度となく取り上げてきたラーメンズですが
やっと去年公演されていたアリスを見ることが出来ました。
VHS販売という古いメディアも脱却しDVDでの販売です。
まずそれだけでも嬉しい!

本日は、第15回公演「アリス」のレビュです。

僕は勝手に第1期ラーメンズと第2期ラーメンズを分けて考えています。
(詳細はこちら:http://blog.so-net.ne.jp/suna_keshi/2005-02-04 )
簡単に違いを説明するとTV的要素の有無と言えます。
短い物語の連続が2期、一つの長い流れを大事にするのが1期だと考えます。

アリスを見て感じたのは第3期ラーメンズの胎動です。

第2期で多用する短いセンテンスを使用した物語が多く収録されているのですが
明らかに毛色が違う作品が2つあります。
それは

「不思議の国のニポン」
「イモムシ」

です。

まず”不思議の国のニポン”は彼らの持ちネタである日本語学校です。
ですが全く形が変わり違った物へと進化していました。
設定は、未知の国で日本の都道府県を紹介するという構図。

今まで日本語の発音の面白さ、言葉遊びを散々日本語学校でやってきましたが
今回は全都道府県に総ツッコミ!!
しかも、それらが最後には微妙に絡んでいくという
初期ラーメンズのような完璧な流れをみせてくれました。

そして「イモムシ」。
イモムシと人間が協力し合い、新体操のようなダンスで競うというコント。

久々に、ラーメンズのコントで胸がキュンとなりました。

小林さんが棒を使って、イモムシ人形を操作しながら
イモムシを演じるのですが、無駄な演技がことごとく面白い!!
そしてとても女性らしいんです、淡い恋心を抱く、いもむしが。
いもむしのそんな乙女心と演技に集中する人間、片桐との
競演者と男女関係という壁を見事に演じてます。

見終わった後、かなり余韻に浸れました。

その原因は1つ。
結末が「ハッピーエンド」だったからです。

僕の記憶が正しければ、こんなに綺麗なハッピーエンドって
ラーメンズのコントで初めてじゃないでしょうか?

このように彼らは2つのコントで
新しい扉をまた開いたと感じています。
このまま第3期ラーメンズ時代へ突入するのか
はたまた、第2期ラーメンズのままで進んでいくのか
そんな記念碑的な作品だと思います。

砂消しゴムで消せなかった度数
★★★★★

ラーメンズ 第15回公演 「アリス」

ラーメンズ 第15回公演 「アリス」

  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • 発売日: 2006/05/17
  • メディア: DVD


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”さくらももこ”という狂気 [DVD/ビデオ/映画レビュー]

さくらももこ。
”ちびまる子ちゃん”でお馴染みの漫画家である。
先日実写TV化されるほど定着した
国民的アニメと言っても過言ではないだろう。

”表さくら”の代表作が”ちびまるこ”だと位置付けた際
”裏さくら”が色濃くでた代表作は”COJICOJI”だろう。
本日は”裏さくらももこ”にスポットを当てたい。

ちびまるこが連載されていた当時
僕は彼女のことをかなり勘違いしていた。
よく読みもせず、ポップな笑いを生み出すとこの出来る作家/漫画家だと
勝手に決め付け鼻で笑っていたからだ。
それを段階的に崩されていった。

まず出会ったのが「うみのさかな&宝船蓬莱の幕の内弁当」である。
月刊カドカワで連載されていたものであるが
自分がさくらももこであることをひたすら隠してエッセイを書いていた。
いやエッセイという枠ではない。
体験/実験記である。

端的に説明すれば、ほとんど電波少年に近い。
例えば、

”自分が路上生活者の格好をして町を徘徊し、どのような目線で見られるのか体験する”

といった内容を平気でやっていた。
このエッセイで、彼女に対する偏見が無くなった。
電車に乗った時の他人の視線。
公園での野宿。
”あなた達は偽者よ!!”と叫ばれた時の気持ちの描写。
どれをとっても、シニカルな視点に満ちていた。

さくらももこには静かな狂気が潜んでいると気付かされた。

そして彼女の傑作「COJICOJI」に出会うことになる。
COJICOJIはギャグ漫画でありながら
振り返ると、寓話に近い話が多い。

静かな狂気を持つ彼女だからこそ
世界をしっかりと見つめ
真理と現実とのギャップを笑いとして寓話調に描けているのだ。

1話目から目から鱗である。
メルヘン学校で成績の悪いCOJICOJIに対して叱咤激励する先生が

「将来君は何になりたいんだ!??」

とコジコジに聞くと

「コジコジはコジコジだよ」

となんとも痛いところを付いてくる。
この後に綺麗な現実とのギャップを使用したオチが用意されているのだが
それは是非読んで確認していただきたい。

僕もそうだったように、一見軽く見られがちな、さくらももこ。
もし僕のように、敬遠している人がいるならば
彼女の闇は静かで深いことを知って欲しい。
そこから感じる光はとても心地よいと、反省も込めて声を大にしたい。

コミックCOJI-COJI 1 (1)

コミックCOJI-COJI 1 (1)

  • 作者: さくら ももこ
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2004/06/24
  • メディア: コミック

うみのさかな&宝船蓬莱の幕の内弁当

うみのさかな&宝船蓬莱の幕の内弁当

  • 作者: うみのさかな, 宝船蓬莱
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 1993/08
  • メディア: 文庫


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妄想の天才、劇団ひとり作家デビュー [DVD/ビデオ/映画レビュー]

ふと本屋に立ち寄ると、劇団ひとりの本が置いてあった。

処女作「陰日向に咲く」

陰日向に咲く

陰日向に咲く

  • 作者: 劇団ひとり
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2006/01
  • メディア: 単行本

本日は、衝撃のデビュー作についてレビュしたい。

この本を買ったすぐ後、たまたま友人と会い
劇団ひとりの本を見つけたと興奮気味に話したのですが

「ふ~ん、微妙」

という直球のリアクションを受けた。
一般的にいって、それが正しいのかもしれない。

読み終わって、まず感じたのは
そんな微妙な印象を受ける人達にこそ読んでもらいたい。
裏切りの連続なのである。

まず文体。
劇団ひとりの本を読んでいるということを
あっさり忘れられるぐらい引き込み方が上手い。
長い文章を多用せず、分かりやすさを心がけたのではないだろうか?
星新一までではないが、最小のパーツで話を構成している。

そして構成。
短編連作小説という形をとっているが
収録されている5編の物語のつながりが絶妙である。
一見、全く関係性のない人物達が
何気なく干渉しあっている様子には感動すら覚えた。

最後に人物描写。
一般的にいって駄目人間に属する人達が主人公である。
ホームレス、アイドルのおっかけ、尻軽、多重債務者、劇場芸人。
様々な、どん底にいる彼達、彼女達が
時に絶望し、枯渇し、格好悪くもがき、苦しみ
光を獲たかと思えば、また違った暗闇を垣間見る。
そんな人の光と影、人生の表と裏を
劇団ひとりの天才的な妄想力で描いているのだ。

さて、劇団ひとりが芸人として”裏切り”を見せた場合
それは笑いとなっている。
しかし、上記で示した、作家としての劇団ひとりの裏切りは
笑いではなく、涙や感動となっていた。
その実力にただただ拍手を送りたい。

ただ、幾つか欲もある。

読み終わり残った余韻はやはり”コント”だった。
笑いはひとつも無いのに
劇団ひとりのコントであることに変わりない。

見せ方を変えコントを小説へと仕上げている。

僕の義兄はアーティスティックな仕事をしているのだが
彼の言葉で印象に残っているものがある。

”手札を持っている間は本当に良いものは出来ない”
”これ以上、自分に溜まっている物が無くなるまで吐き出した後に”
”創造し、苦しんで作り上げたものこそ、素晴らしいものになる”

これは、僕がBlogを立ち上げたひとつのきっかけとなった言葉でもあるのだが
劇団ひとりはまだ、自分の手札を持ったまま
小説を書ききった印象が強い。

言い方を変える。
もっと彼は小説を書くべきである。
そして何も書くことがないと思いながら作りあげた
コントとは全く違った小説を読んでみたいと感じた。

この記事を書き上げた後に、こんな劇団ひとりのインタビュを見つけた。
http://books.yahoo.co.jp/interview/detail/31656526/01.html

彼自身の言葉からも、僕が感じたことは間違いないように思える。
本当に、もっともっと小説を書いて欲しい。
そして踏み込んで欲しい。
僕はこの本を読んで、「小説家、劇団ひとり」に期待してしまったのだ。

砂消しゴムで消せない度数
★★★★☆


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有頂天ホテルに宿泊中 [DVD/ビデオ/映画レビュー]

三谷幸喜がメガホンを取った作品の中で
間違いなく一番の傑作。
本日は、”有頂天ホテル”の感想です。

有頂天ホテル公式サイトに以下のような映画企画意図が記載されています。
http://www.uchoten.com/

”それぞれのエピソードの主人公達は、その夜、一生に一度の体験をします。”
”それはひょっとすると、彼が、彼女が、生涯でもっとも輝いた瞬間だったかもしれません。”
”しかし、そういう時に限って、誰も見てくれていない。”
”人生なんて、だいたいそんなものです。”
”でも、ひょっとすると、そう思っているのは自分だけかもしれない”
”実はちゃんと誰かが見ているのかもしれない。”
”それはたまたま近くにいた人かもしれないし、”
”もしかしたら自分の一番大事な人かもしれない。”
”ひょっとしたら運命をつかさどる「神様」かも。”
”そう思えば、少しだけ生きることが楽しくなってくる、そんな気にさせる映画です。”

なんと、この映画を言い射た文章だろうか。

この企画意図が見事に演じられているのだ。

今まで、三谷幸喜が監督した映画は
どこか窮屈で、彼自身がやりたいことをやり切れていない印象があった。
だが今回、ホテルという限られた舞台にも関わらず
自由な発想や展開に満ちている。
ストーリの中で見え隠れする前フリに対するオチは
大まかに予想できるものばかりだったが
それよりもう一捻りされたオチが用意されており
沢山笑い、沢山切ない気持ちになり、そして何よりも温かい気持ちになった。

予想した景色を見ているのに
その景色の感じ方は予想外だった。

さて、僕は常日頃、曖昧な表現や定量的でない指標を
なるべく使いたくないと考えている。
にも関わらず、この映画について書こうとすると
抽象的な言葉しか生まれてこない。

高校生の頃、似たような経験があり
今でも続く友人に、説明/表現できないことが悔しいと話したことがある。
しかし、友人は即答で

”説明できないことは、きっと君にとって大事なことなんじゃない?”
”いつか説明できる時まで、黙って待ってれば?”

と言い放った。
それ以来、説明できないものを大切にしている。

また大切な物がひとつ増えた。
説明できるようになるまで、余韻と伴に、僕は有頂天ホテルへ宿泊中である。

砂消しゴムで消せない度数
★★★★★


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お父さんは心配性 時代が変わればストーカー [DVD/ビデオ/映画レビュー]

僕が人生最初に好きになった漫画は
ドクタースランプでもなく、筋肉マンでもなくキャプテン翼でもない。
「お父さんは心配性」である。

お父さんは心配症 (1)

お父さんは心配症 (1)

  • 作者: 岡田 あーみん
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 1985/11
  • メディア: 新書

ストーリはいたって単純。
一人娘を持つ父親が、娘の素行を心配し
どこ構わず娘についてきては邪魔をするという話だ。
当時、とても笑った記憶があるのだが
成人してから漫画喫茶で読み返してみて愕然とした。

全く笑えないのはしょうがない事だと思う。
僕の年齢も違えば時代背景も違う。
笑いとは時代にリンクしている部分があるのだから。

何に愕然したかと言えば

ホラー漫画のようだと感じたからである。

しかも、見た目で怖いのではなく心理的な恐怖を感じた。
父親の異常な愛情に翻弄される娘。
その時代になかった言葉だが”ストーカー”そのものだ。

笑いと恐怖は紙一重である。
比重のかけ方でどちらにも見せることができる。
時代がその比重を変え、読み手の感じ方を変えてしまった。

そう、お父さんは心配性は
笑いと恐怖の境目ギリギリにいた漫画だったのだ。
時代が流れ笑いの部分が削がれ
今になって、そんな作者の力量に気付かされた。

ギャグ漫画家は1本ヒットを出すと廃人のようになってしまうと聞いたことがある。
2本3本とギャグ漫画を描き続けるのは本当に難しいそうだ。
それはネタもさることながら
時代と同期し変化する、笑いと恐怖の境目を必死に模索しているからなのかもしれない。

##ちなみに作者の「岡田あーみん」はこの後も
##”こいつら100%伝説”、”ルナティっ久雑技団”というヒットも飛ばしている。
##それをリボンという少女漫画雑誌でやってのけた偉業も
##ここに書きとめておきたい。

砂消しゴムで消せない度数
★★☆☆☆


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チルドレン 伊坂幸太郎 [DVD/ビデオ/映画レビュー]

本日は本のレビュです。
Blogの紹介コメントには”本”としっかり書かれているのに
まだ1冊も書いていないと気付きました(笑)
当然ながら笑いに関する本を紹介したいと思います。

チルドレン

チルドレン

  • 作者: 伊坂 幸太郎
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2004/05/21
  • メディア: 単行本

伊坂幸太郎のチルドレンを読んだのは新幹線の中だった。
嫁の実家に帰省する、行きと帰りで一気に読破してしまったのだが
読んでいる間、嫁から発せられる刺すような視線が忘れられない。

僕は新幹線の中で一人、笑い続けていた。

その度に嫁は目を覚まし、何を笑っているのかと、怪訝そうな顔をしていた。

チルドレンは短編連作小説である。
題名のごとく様々な”子供”に関する小説である。

年齢的に子供であったり
少年のような心を持った大人であったり
登場人物は様々。
そんな子供たちと大人の繋がりを美しく、温かくこの小説は描いている。

何を美しいと感じるのか?
それは絶対にありえないことを
さも僕らが通って来た道のように
遠い記憶に残る、美しい風景のように
目の前に見せてくれるからだ。

それが時に笑いとなり、時には感動となって押しよせて来る。

僕はそんな綿密に練られたストーリに没頭し
笑顔が耐えなかった。
そして少しだけ過去を反省した。

笑いとは不思議である。
人を傷つけない笑いはない。
そのような要素を多く、はらんでいる。

しかし、この小説で出会う事ができる笑いは
人間としてとても単純であり、純粋だ。
そんな笑いの持つ多様性のひとつの姿を
この小説で確認できるだろう。

帰りの電車の途中で小説を読み終わると
よっぽど気になっていたのか
嫁がチルドレンを読み始めた。

数十分後、彼女は笑っていた。
そんな彼女を見て僕も少しだけ笑った。
それもきっと、単純で純粋な笑いである。


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ハリガネロックin渋公爆発ロック [DVD/ビデオ/映画レビュー]

本日はハリガネロックの
”ハリガネロックin渋公爆発ロック”のDVDレビュです。

Blogのコメントでお薦めされて、このDVDを見るに至った。
正直に書けば、お薦めされない限り手にとらなかったDVDだと思う。
何故なら、行き着けの居酒屋のようなイメージで
5年前も5年先もあまり変わらない漫才をしている気がしていたからだ。

僕はその印象を変更しなければならない。

このDVDはハリガネロックが渋谷公会堂で行ったライブの模様が収録されている。
まず驚くのはこの規模の会場を一杯にできる彼等の集客力だ。
こんな大舞台を漫才だけで一杯にできることに素直な驚きがあった。
ライブの様子もまさにロックコンサートのようで
火花が飛び散ったりと演出が、かなり派手である。

それに負けないような熱い漫才を彼等は披露していた。
その漫才の内容を見て僕は反省をしなければならないと感じた。
いつものような王道の漫才を披露したと思えば
ライブらしくまとめ上げた漫才を披露したりと
色々な手法に挑戦していたのだ。
そんな漫才が7本も収録されている。
(発売時期とネタを考えるとほとんどの漫才が新作ではないだろうか?)

ただし、それが笑いになっていたかといえばDVDを見た僕にはNOだ。
おそらく会場にいれば笑っていただろう。
そおいう漫才だった。

DVDで見た彼等の漫才は
ブラウン管を通して見ると前を向きすぎるの印象だ。
広い会場にとっては、おそらくそれが丁度良いのかもしれない。
それが”くどさ”として感じてしまうことがあるのだ。
難しいところのバランスだと思うのですが。。。

しかし、それも含め彼等は前へ前へ全力で進もうとしているということが
ヒシヒシと伝わってきた。

そんな彼等が情熱を燃やしているものがある。

M-1だ。

今年彼等はこんな題名のライブをやっている。

”ハリガネロックin最後の漫才ライブ”

M-1に挑戦できる最後の年に、こんな題名のライブをやるなんて
なんだか意味深ではないか。
それだけで相当の覚悟が伝わってくる。

DVDで見た模索がどのように今年のM-1であらわれるのだろうか?
非常に楽しみだと思う。

砂消しゴムで消せない度数
★★☆☆☆

ハリガネロックin渋公爆発ロック

ハリガネロックin渋公爆発ロック

  • 出版社/メーカー: ビデオメーカー
  • 発売日: 2003/06/25
  • メディア: DVD


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エレ片に見えるラーメンズ片桐の可能性 [DVD/ビデオ/映画レビュー]

エレ片がレンタルされていたので迷うことなく借りました。
本日はエレ片のレビュです。

エレ片 (仮)

エレ片 (仮)

  • 出版社/メーカー: ネオプレックス
  • 発売日: 2005/08/05
  • メディア: DVD

エレ片はエレキコミックとラーメンズ片桐の変則トリオで行われた
ライブが収録されたDVDである。
会員限定で行われたライブだそうで(何の会員かは不明。。。)
急に開催が決まったらしく、ネタあわせ時間が1日しかなかったそうだ。

そんな急に決まった姿が見て取れる内容になっている。

ライブの構成は

  1.たかしとお父さん@3人バージョン(ラーメンズのネタ)
  2.大喜利形式の片桐インタビュー
  3.片桐の部屋を公開
  4.劇団員コント(エレキコミックのネタ)
  5.エンディング

といった物で新作は一切ない。
なんとかライブとして客が楽しめるギリギリの物になっている。

ギリギリだけあって3人のテンションは異常に高い!!!

そのテンションが変な空気を作り出し
妙な面白さをかもし出している。
ただその面白さに対して1点言えることは、ラーメンズ片桐またはエレキコミックを知らないと
まったく笑えない内容になっている。

結局、最近のラーメンズの舞台と同じで客に甘えた感がぬぐえない。

さて、ここまでだと酷評のように感じられるかもしれないが
僕はこのDVDをとても楽しく観賞できた。
とても晴れやかな気分である。
それは何故か。

「ラーメンズ片桐は笑いに飢えている!!!!!!!!!!!!!!!!!」

そんな様を沢山垣間見ることができる。

とにかく目の前の客を笑わそう、喜んで貰おうと必死だ。
ひたすらに体を動かしアピールしようと必死だ。
とめどなく汗をかき、恥ずかしげもなく悩んだ姿を見せる。

全身が、もじゃもじゃ一本までもが笑いを求めているように見えた。

僕はそんな片桐を見て軽い感動すら覚えた。
これが片桐の本当の姿じゃないのだろうか?
野生の嗅覚で笑いに一直線に全力疾走するその姿に
何故か懐かしさのような、町で古い友人にふと出会ったような気分になった。

”おかえりなさい”

僕はそんな心の声を片桐にかけた。

もうひとつ印象的な場面がある。
インタビュ形式の大喜利のお題で

”相方小林にキレて言った一言とは?”

片桐はこれに対してボケ無しの本気の答えを出した。

”お前だって出たがりだろう!!!!”

なんと今のラーメンズを良くあらわした言葉だろうか!!??
そう、最近の小林はいつだってクールに決めようとしている。
そんな小林に対して直球を片桐は投げている。

必死だっていいじゃないか!!??
もっともっと笑って欲しいんだ!!!

そんな片桐の声を勝手に想像してしまった。

僕は思う。
もっともっと喧嘩して欲しい。
そして一皮剥けたラーメンズを待っている。

砂消しゴムで消せない度数
★★☆☆☆
片桐に
★★★★☆


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小林賢太郎プロデュース公演 [LENS] [DVD/ビデオ/映画レビュー]

椎名林檎のPVから発展し、舞台化されたのが
小林賢太郎プロデュース公演第4回作品「LENS」である。

DVDの内容よりまず最初に触れておきたい事がある。

”ラーメンズは本当にファンから愛されている”

そんな風に感じた事が2つあった。

1つめ。
舞台の登場人物に”日本一早い人力車”がいる。
普通なら特に引っかかるような設定ではない。
ところが客がわいた。
これは前回の舞台で”日本一早いバイク便”が登場したのだが
それが前フリになって客が歓声をあげていたのだ。

2つめ。
今回、ラーメンズ片桐は舞台には登場しないが
開始と終了のアナウンスの声を担当している。
ここでも歓声があがった。

彼らはアイドルではない。
そして、そんなふうに見ている人もいないだろう。
それであるのに、単純なサービスに喜び
毎回舞台を見ている観客が多いのだ。

なんと愛された芸人なのだろうか!!!???

まず、僕はそんなことに驚いたと同時に
ラーメンズ小林も丸くなったなぁ。。。と感じざるえなかった。
昔はそんなサービスをするような芸人ではなかったからだ。

さて、僕はこれまで書いたDVD評で小林の舞台に対して辛口であった。
それは期待の大きさから来るものである。
何故、今までの舞台に対して辛口になったのか、その根本を
今回の舞台で分かった気がする。

緊張感。

僕はこれがキーワードだと思う。

今回の舞台LENSは今までの小林プロ―デュース公演をやってきたメンバの他に
準主役の刑事役として”大森南朋”が出演している。
近年、実力派俳優として注目されている大森だけあり
シリアスとコミカルな演技の使い分けが非常に上手く
この舞台での金メダルは彼以外考えられない。

大森が存在することで、舞台上の空気が張り詰める。

これは今まで小林がプロデュースした舞台ではなかったことであり
今まで何度も触れたお笑いの大法則”緊張と緩和”の
緊張を見事なまでに大森が一人で演出していた。

そのため、緊張と緩和のギャップが今までの公演よりも
数段大きく発生し、笑いを自然に発生させることに成功していたのだ。

ランナーはより速い相手と走ると記録が伸びるという。
独自の笑いを探求し走りつづける小林は
今回間違いなく、大森に引っ張られて記録が伸びた。
それは前述した”緊張感”によるものだと考える。

緊張感。
小林のプロデュース公演において、圧倒的に足りない。
言い換えると観客の愛に甘えているようでもある。
例えば今回の舞台のストーリは開始10分でラストまで予想できる。
そんなことを小林がやっていることが僕には考えられない。

さて、このBlogで紹介したように
小林は自らのプロデュース公演について

「プロデュース公演は『お笑い寄りの演劇』」

とインタビュに答えている。
果たしてそうだろうか?
僕には客よりの演劇に思えてならない。

総評。
この舞台の大森南朋の実力に僕は圧倒された。
それだけでも見る価値は高い。
しかし、ラーメンズ小林プロデュースとして期待した部分は
やはり物足りない。

砂消しゴムで消せない度数
★★★☆☆

小林賢太郎プロデュース公演 「LENS」

小林賢太郎プロデュース公演 「LENS」

  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • 発売日: 2005/08/03
  • メディア: DVD


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