”さくらももこ”という狂気 [DVD/ビデオ/映画レビュー]
さくらももこ。
”ちびまる子ちゃん”でお馴染みの漫画家である。
先日実写TV化されるほど定着した
国民的アニメと言っても過言ではないだろう。
”表さくら”の代表作が”ちびまるこ”だと位置付けた際
”裏さくら”が色濃くでた代表作は”COJICOJI”だろう。
本日は”裏さくらももこ”にスポットを当てたい。
ちびまるこが連載されていた当時
僕は彼女のことをかなり勘違いしていた。
よく読みもせず、ポップな笑いを生み出すとこの出来る作家/漫画家だと
勝手に決め付け鼻で笑っていたからだ。
それを段階的に崩されていった。
まず出会ったのが「うみのさかな&宝船蓬莱の幕の内弁当」である。
月刊カドカワで連載されていたものであるが
自分がさくらももこであることをひたすら隠してエッセイを書いていた。
いやエッセイという枠ではない。
体験/実験記である。
端的に説明すれば、ほとんど電波少年に近い。
例えば、
”自分が路上生活者の格好をして町を徘徊し、どのような目線で見られるのか体験する”
といった内容を平気でやっていた。
このエッセイで、彼女に対する偏見が無くなった。
電車に乗った時の他人の視線。
公園での野宿。
”あなた達は偽者よ!!”と叫ばれた時の気持ちの描写。
どれをとっても、シニカルな視点に満ちていた。
さくらももこには静かな狂気が潜んでいると気付かされた。
そして彼女の傑作「COJICOJI」に出会うことになる。
COJICOJIはギャグ漫画でありながら
振り返ると、寓話に近い話が多い。
静かな狂気を持つ彼女だからこそ
世界をしっかりと見つめ
真理と現実とのギャップを笑いとして寓話調に描けているのだ。
1話目から目から鱗である。
メルヘン学校で成績の悪いCOJICOJIに対して叱咤激励する先生が
「将来君は何になりたいんだ!??」
とコジコジに聞くと
「コジコジはコジコジだよ」
となんとも痛いところを付いてくる。
この後に綺麗な現実とのギャップを使用したオチが用意されているのだが
それは是非読んで確認していただきたい。
僕もそうだったように、一見軽く見られがちな、さくらももこ。
もし僕のように、敬遠している人がいるならば
彼女の闇は静かで深いことを知って欲しい。
そこから感じる光はとても心地よいと、反省も込めて声を大にしたい。
「ちびまる子ちゃん」のキャラクター、永沢くんの中学生活を描いた「永沢くん」てのもおもしろいですよ。(10年くらい前の作品)
中学男の恥ずかしさに笑いつつ、ちょっと身につまされたりします。
あの年頃の男子ってなんであんなにバカなんでしょうか。
(もちろん自分も含めて)
by torutara (2006-04-26 08:36)
永沢君も裏さくらが満載で面白いですよね!!!
僕も同じで、どこか見に覚えがあったり、心がちくちくしたり
大笑いしてしまったりと、かなり好きな作品です。
さくらももこは女性のはずですが
まさに男子の青春ですよね(笑)
by すなけし (2006-04-28 02:27)
「ちびまる子ちゃん」の中でも
”まるこ”が”表さくら”
”野口さん”が”裏さくら”
だと私は思ってます。
by RuffEDGE (2006-05-26 13:56)
そうですね!!
表作品の中でも裏が滲み出ていますね、野口さん(笑)
彼女のような幼少時代が羨ましい。。。
by すなけし (2006-05-27 14:50)
どおも!ももこさん大好きです!
by ミルク (2006-10-27 19:21)
よかったです
by ウッキィー (2007-03-27 15:46)