SSブログ

有頂天ホテルに宿泊中 [DVD/ビデオ/映画レビュー]

三谷幸喜がメガホンを取った作品の中で
間違いなく一番の傑作。
本日は、”有頂天ホテル”の感想です。

有頂天ホテル公式サイトに以下のような映画企画意図が記載されています。
http://www.uchoten.com/

”それぞれのエピソードの主人公達は、その夜、一生に一度の体験をします。”
”それはひょっとすると、彼が、彼女が、生涯でもっとも輝いた瞬間だったかもしれません。”
”しかし、そういう時に限って、誰も見てくれていない。”
”人生なんて、だいたいそんなものです。”
”でも、ひょっとすると、そう思っているのは自分だけかもしれない”
”実はちゃんと誰かが見ているのかもしれない。”
”それはたまたま近くにいた人かもしれないし、”
”もしかしたら自分の一番大事な人かもしれない。”
”ひょっとしたら運命をつかさどる「神様」かも。”
”そう思えば、少しだけ生きることが楽しくなってくる、そんな気にさせる映画です。”

なんと、この映画を言い射た文章だろうか。

この企画意図が見事に演じられているのだ。

今まで、三谷幸喜が監督した映画は
どこか窮屈で、彼自身がやりたいことをやり切れていない印象があった。
だが今回、ホテルという限られた舞台にも関わらず
自由な発想や展開に満ちている。
ストーリの中で見え隠れする前フリに対するオチは
大まかに予想できるものばかりだったが
それよりもう一捻りされたオチが用意されており
沢山笑い、沢山切ない気持ちになり、そして何よりも温かい気持ちになった。

予想した景色を見ているのに
その景色の感じ方は予想外だった。

さて、僕は常日頃、曖昧な表現や定量的でない指標を
なるべく使いたくないと考えている。
にも関わらず、この映画について書こうとすると
抽象的な言葉しか生まれてこない。

高校生の頃、似たような経験があり
今でも続く友人に、説明/表現できないことが悔しいと話したことがある。
しかし、友人は即答で

”説明できないことは、きっと君にとって大事なことなんじゃない?”
”いつか説明できる時まで、黙って待ってれば?”

と言い放った。
それ以来、説明できないものを大切にしている。

また大切な物がひとつ増えた。
説明できるようになるまで、余韻と伴に、僕は有頂天ホテルへ宿泊中である。

砂消しゴムで消せない度数
★★★★★


nice!(1)  コメント(6)  トラックバック(1) 
共通テーマ:お笑い

nice! 1

コメント 6

タカ

まだ見ていないんです・・・早く見たいんですが、このままだと見れそうにありません。
ガックシ。
http://catcamera.seesaa.net/
by タカ (2006-02-16 13:53) 

ひいらぎ

三谷さんのドラマは見るけれど、映画はテレビ放映の時でいいかな?なんて思っていた私ですが、この映画は映画館で見たいと思い、見て正解!
面白くもあり、元気をもらえた映画です。
by ひいらぎ (2006-02-16 17:10) 

綾花

本当にいいものだと感じた時は、なかなか言葉が出てこないのではないでしょうか。
まだ観てません。早く観に行きたいです。
by 綾花 (2006-02-17 01:34) 

すなけし

>> タカさん
無理やり時間を作って見ても損はないと思いますよ!!

>> ひいらぎ さん
僕も同じような印象でした!!
映画館で見ても存分に楽しめる作品でしたね。

>>綾花さん
見てよかったと素直に思える作品でしたよ!!
by すなけし (2006-02-17 23:00) 

堂籠 某(巷のエセ芸人)

灰汁の強い食材ばかりを
使用しているのに
あっさりとした味わい深い
鍋に仕上がっていました!!

http://blog.oricon.co.jp/nanigashi/
by 堂籠 某(巷のエセ芸人) (2006-03-14 12:52) 

すなけし

あそこまで綺麗に調理されていると
おいしいというより、気持ちよかったです!!
もう一度見たい!!
by すなけし (2006-03-15 00:41) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 1

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。