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萩本欽一という芸人道 [芸人評]

少し前の話ですが深夜にコント55号のネタを放送していた。
彼らのDVDが発売されるのを記念した番組であった。

僕は「欽ちゃんの~」系の番組は小さい頃に見ていたが
コント55号として活動しているところは
昔を振り返る系の番組でチラッと映るくらいしか見たことがなく
ちゃんと長いネタを見たのは初めてだった。

演者と観客の一体感が非常に強い。

なにより、これを一番強く感じた。

観客は笑いますよ、楽しみたいんですという空気で満ちており
演者が大げさに、”ここが笑いどころなんですよ!”というアピールをすれば
それに対して必ず笑いを返し
舞台上の二人と伴に、楽しんでいる感が非常に強い。

一方、演者は
”今から面白いことをしますよ”

というオーラで満ちており、常に観客を向いて話し
笑い所を分かり易くするために、間や動きを大きくしている。

それらがガチっと噛み合い、ライブ/一体感が伝わってくるのだ。

言い方を変えると、実際に舞台を見ている観客と
ブラウン管を通して見ている観客に全く温度差を感じさせないといえる。

ここに視聴率100%男と呼ばれた萩本欽一のすごさが凝縮していると考える。

”徹底した観客視点”だ。

それを象徴するような逸話がある。
今では当たり前になっていることだが
コントや観覧系のバライティ番組において、客やスタッフの笑い声が流れる。
客の笑い声を録るために、観客側へ最初にマイクを置いたのが
萩本欽一だったそうだ。

TVを見ている観客のことも考えライブ感が伝わるように観客の笑いを電波に乗せたのだ。

良し悪しはともかく、ここ数年のお笑い芸人が提供する笑いは
昔コント55号が生み出した笑いとイコールでないと感じる。
 ##比較的近い物を考えると、極端ではあるがSMAP×SMAPを代表とするアイドルが出演する
 ##バライティ番組ではないだろうか?

徹底した裏切りを模索するのも芸人道であると同時に
徹底した観客視点を持った演出も芸人道なのだ。

萩本欽一は現在、TVの一線を退いたものの
野球という異世界でエンターテーメントを模索し続けている。
真の芸人である。


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