SSブログ

気の早い2006年M-1への期待 [笑い一般]

笑いのプロが真剣に戦い、彼らの思う面白い事を披露する場。
それこそがM-1であると思う。
本日は、そんなM-1をどんな風に受け止めているのか?
どんな風に受け止めるべきなのか考えてみたい。

まずM-1についてのおさらいですが

 ・二人以上のコンビ、グループであることが前提
 ・結成10年目までの芸人しかエントリできない
 ・どの参加者もエントリ費2000円を支払う
 ・ギャラは全く発生しない
 ・優勝すると1000万円の賞金が授与される
 ・決勝は8組+敗者復活戦1組で争われる
 ・点数の高かった上位三組が最終決戦に進出
 ・最終決戦では審査員の多数決によって優勝者が選出される

といった大まかなルールがある。
ここから僕が感じるのは

 ・若手の為のショーレースである
 ・ショーレースを盛り上げる為に芸人が真剣になる環境を用意している
 ・キャリアや露出度に関係なく実力がある芸人を真剣に探し
  面白い漫才を評価しようとしている
 ・なるべく公平な審査をしようと心がけている

といった大会開催者の意図だ。
それが上手くいっているかは別として、そうしようという意思が感じ取れる。
今後の試行錯誤が繰り返されるであろうが
基本路線はこれらであると感じる。

また審査員が笑いのプロであるというのも、この大会の特徴である。
第1回では客の投票結果を審査に反映していたが
地方やファン層によって、その評価が極端であり
それ以降の大会では審査員だけでの評価で結果が決まるようになった経緯がある。

これによって審査員が重要視されるようになる。

審査員は様々な分野の笑いのトップランナーが基本的に選出されている。
特に島田紳助、松本人志といった
一時代を作り、現在もトップを走っている芸人がいるというのもこの大会しかない。
そして彼らが若手に対してどのような評価をするのかを見れるのは
この大会だけといっても過言ではないのだ。
先頭を走り続ける彼らを評価、次世代の笑いがどうなるのかを
彼らが審査員になることで過剰に知りたくなりはしないだろうか?
島田紳助、松本人志を視聴者がどう思っていようとも
露出度の高い彼らの意見を無視することは出来ないのだ。

これを知ってか知らずか、開催者側の演出はこの要求を満たそうとしている。

M-1ではネタ中に審査員の「顔」が映る事がしばしばある。
笑っている顔
真剣な顔
つまらなそうな顔
全てがそのまま画面に映る。

自分が面白いと感じたポイントや芸人に対して
審査員の笑顔が写ると、多少なりとも嬉しく思ったことはないだろうか?
またその逆で、面白いと思っているのに
審査員が憮然としていてガックリしたことはないだろうか?

そう、この大会はいつの間にか芸人の実力を試すだけでなく

 「視聴者の笑いを問う」
または
 「視聴者とプロとの漫才評価の違いを明確化する」

という意味合いを持つようになってしまっているように感じる。

僕もその例に漏れず、M-1の予想をしたり
巷のBlogでもそのような傾向が強い。
M-1後にも結果の是非について書かれているBlogが多いのもこの理由だろう。
出場者までもが結果について言及してしまっているくらいだ。

定量的な尺度のない”笑い”だからこそ、知りたいという欲求が強くなる。

大会主催者が考えた大会意図と
視聴者の楽しみ方が明らかに離れてきているのだ。

こんな風に考えるようになったのは
きっとブラックマヨネーズのおかげだ。
彼らが去年優勝したということは、とても強い意味を持つと感じている。

笑いとは裏切りであるといえる。
今まで見た事のないような裏切りをM-1に期待していた。
それを誰が出来るのか?という視線で僕らはM-1を見ていた。

しかし、僕らが期待する次世代とは全く違う方向であり
かつ、センスを問うには古すぎる漫才スタイルである彼らが現れ優勝した。

だがこれが、この大会の一番の裏切りではないだろうか?

新しさを過剰に求めていた僕らに対して
ブラックマヨネーズは綺麗な裏切りを見せてくれたのだ。

今回のお笑いブームで色々な笑いが生まれた。
HGを筆頭に、新しく生まれた笑いの種類/スタイルという意味で
過去のお笑いブームにはない多様性があったと感じている。

しかし、そのブームの終焉を迎えようとしている2005年のM-1で
ベタの本当の強さをブラックマヨネーズが見せ付けたのだ。
今回のお笑いブームの締め括りにこそ相応しいと感じている。

今年のM-1が僕は本当に楽しみである。
多種多様な笑いが生まれた中で
やはりベタを模索する漫才が圧勝していくのか?
はたまた、新しいスタイルを模索する芸人が優勝するのか?

ブラックマヨネーズのおかげで
知りたいという欲求よりも楽しみたいという欲求が強まった。

その日、その瞬間に一番面白い芸人を
TVの前でただただ楽しめる自分がそこにいるような気がしている。
願うは、ネタ中の審査員の顔を映さないで欲しい。

##ブラックマヨネーズが全く新しい要素のない芸人だとは思っていない。
##少しだけ新しい方法があった(と2つの漫才を見て感じている)
##それは今後もう少し彼等の観察を続けて、まとめてみたい。


nice!(0)  コメント(3)  トラックバック(0) 
共通テーマ:お笑い

nice! 0

コメント 3

ダンテ

審査員の顔を映さないで欲しい。
全く同感です。
最初に見る時はなるたけ「細かいことは考えず楽しもう」と思うのですが、あれが映ること、評論側に気持ちがブレる時があります。
そもそも芸人の表情が一瞬見えなくなるわけで、余計なものを映さないで欲しいと…。
by ダンテ (2006-01-17 18:41) 

綾花

確かに、たまに審査員の顔映りますよね。いらないかも。
私も来年は正統派が来るのか、そうじゃないタイプが来るのか、きっとまた年末になったら気になってると思います。
by 綾花 (2006-01-19 23:34) 

すなけし

>>ダンテさん
そうなんですよ、ブレるんですよね。。。気持ちが。
毎回、試行錯誤しているM-1ですが
これだけは修正されたことがないんですよ。
やっぱりニーズがあるのでしょうか。。。?

>>綾花 さん
僕は過剰に気になりすぎてたかなぁと思い
今回の記事を書いてみました。
皆さんがどうやって楽しんでいるのか?っていうのも知りたかったんですよね。
by すなけし (2006-01-20 00:37) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。