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小林賢太郎プロデュース公演 [LENS] [DVD/ビデオ/映画レビュー]

椎名林檎のPVから発展し、舞台化されたのが
小林賢太郎プロデュース公演第4回作品「LENS」である。

DVDの内容よりまず最初に触れておきたい事がある。

”ラーメンズは本当にファンから愛されている”

そんな風に感じた事が2つあった。

1つめ。
舞台の登場人物に”日本一早い人力車”がいる。
普通なら特に引っかかるような設定ではない。
ところが客がわいた。
これは前回の舞台で”日本一早いバイク便”が登場したのだが
それが前フリになって客が歓声をあげていたのだ。

2つめ。
今回、ラーメンズ片桐は舞台には登場しないが
開始と終了のアナウンスの声を担当している。
ここでも歓声があがった。

彼らはアイドルではない。
そして、そんなふうに見ている人もいないだろう。
それであるのに、単純なサービスに喜び
毎回舞台を見ている観客が多いのだ。

なんと愛された芸人なのだろうか!!!???

まず、僕はそんなことに驚いたと同時に
ラーメンズ小林も丸くなったなぁ。。。と感じざるえなかった。
昔はそんなサービスをするような芸人ではなかったからだ。

さて、僕はこれまで書いたDVD評で小林の舞台に対して辛口であった。
それは期待の大きさから来るものである。
何故、今までの舞台に対して辛口になったのか、その根本を
今回の舞台で分かった気がする。

緊張感。

僕はこれがキーワードだと思う。

今回の舞台LENSは今までの小林プロ―デュース公演をやってきたメンバの他に
準主役の刑事役として”大森南朋”が出演している。
近年、実力派俳優として注目されている大森だけあり
シリアスとコミカルな演技の使い分けが非常に上手く
この舞台での金メダルは彼以外考えられない。

大森が存在することで、舞台上の空気が張り詰める。

これは今まで小林がプロデュースした舞台ではなかったことであり
今まで何度も触れたお笑いの大法則”緊張と緩和”の
緊張を見事なまでに大森が一人で演出していた。

そのため、緊張と緩和のギャップが今までの公演よりも
数段大きく発生し、笑いを自然に発生させることに成功していたのだ。

ランナーはより速い相手と走ると記録が伸びるという。
独自の笑いを探求し走りつづける小林は
今回間違いなく、大森に引っ張られて記録が伸びた。
それは前述した”緊張感”によるものだと考える。

緊張感。
小林のプロデュース公演において、圧倒的に足りない。
言い換えると観客の愛に甘えているようでもある。
例えば今回の舞台のストーリは開始10分でラストまで予想できる。
そんなことを小林がやっていることが僕には考えられない。

さて、このBlogで紹介したように
小林は自らのプロデュース公演について

「プロデュース公演は『お笑い寄りの演劇』」

とインタビュに答えている。
果たしてそうだろうか?
僕には客よりの演劇に思えてならない。

総評。
この舞台の大森南朋の実力に僕は圧倒された。
それだけでも見る価値は高い。
しかし、ラーメンズ小林プロデュースとして期待した部分は
やはり物足りない。

砂消しゴムで消せない度数
★★★☆☆

小林賢太郎プロデュース公演 「LENS」

小林賢太郎プロデュース公演 「LENS」

  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • 発売日: 2005/08/03
  • メディア: DVD


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いまじん

本当にボクがこの間ラーメンズの舞台を見て感じたことと同じです。
何もまだギャグを繰り出していないのに、ちょっとした片桐のヘン顔や
小林の面白口調でどっと沸いてしまっている。
もちろん苦労して構築したギャグの積み重ねでも、
きちんとウケてはくれるわけですが。
なんか違和感感じてしまったのは事実です。
こういうお客さんばかりを相手にしていたいと考えているわけでは
ないでしょうけれども、今のところ、この循環を打開できていないと思います。
by いまじん (2005-08-11 02:22) 

すなけし

最新の舞台を見られたのですね、羨ましい。。。
もう、そのような感じのファンが固定客なのかもしれませんね。
メディアにも登場しないので新しい客層ってなかなか流れないだろうし。
現状が知れて良かったです、コメントありがとうございます!!
by すなけし (2005-08-12 00:56) 

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